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パリ五輪の食事はプラントベースが中心!環境負荷を減らしてサステナブルな社会へ

パリ五輪の食事はプラントベースが中心!環境負荷を減らしてサステナブルな社会へ

2024年7月26日から、いよいよパリ五輪が開幕します。

4年に一度のスポーツの祭典として親しまれているオリンピックですが、今回のオリンピックでは今までと一味違った取り組みが注目を集めています。

その取り組みとは、大会期間中に提供する食事をプラントベースにすること。その背景や意味はどんなものがあるのでしょうか。

パリ五輪におけるプラントベースフードの取り組み

そもそもプラントベースフードとは、 動物性原材料ではなく植物由来の原材料を使用した食品を指します。これまでに、大豆や小麦などから、「肉」、「卵」、「ミルク」、「バター」「チーズ」などの代替となる加工食品が製造・販売されています。大豆ミートはよく見聞きするようになってきましたね。

また、一部の飲食店では、メニューとして提供もされています。

今回のパリ五輪では、史上最もクリーンな大会運営を目指して、大会期間中のCO2排出量を150万トン以下におさえることを目標としています。この数値目標は、直近開催されたロンドン大会やリオ大会のCO2排出量と比較して半分以下になるような、大幅な削減となります。

具体的な取り組みとしては、オリンピック選手村で選手、役員、ボランティア、従業員、メディア等に提供する食事の50%、観客に販売する食事の60%が植物性食品となります。その数は、およそ1300万食にものぼる想定です。

その他、食事を盛る容器やパッケージを工夫したり、食材の80%をフランス国内産のものを使用するといった取り組みも実施されます。

フランス産をメインとした食材のうまみを最大限生かし、栄養と美味しさを兼ね備えたプラントベースの料理は、ヴィーガンの方のみならず、多くの人のお腹を満足させてくれるに違いありませんね。美食の国フランスの名に相応しい料理の数々が提供されることでしょう。 

日本でのプラントベースフードへの取り組み

パリ五輪で話題になっているプラントベースフードですが、日本でも広がりを見せつつあります。

日本におけるプラントベースフードの市場規模は、2021年度の段階では約340億円とされています。また、2025年度には約730億円規模に拡大すると予測されており、今後も注目されることでしょう。

納豆や豆乳、味噌などの大豆食品は日本でも昔から親しまれている食品であり、代替肉として近年登場した大豆ミートも、食感や風味など進化し続けています。

この背景には、エシカル消費への関心の高まりなどが考えられます。

企業活動においても、プラントベースフードを取り入れることは、社会的な貢献という側面から企業価値を高めることになるでしょう。

食事は私たちにとって欠かせないもの。プラントベースフードを食べることは、環境への負荷を減らし、サステナブルな社会を実現していく一手になります。

身近なプラントベースフードの実例

より身近に感じやすくするため、プラントベースフードを取り入れている日本企業の実例をご紹介します。

①ネスレ

ネスレは、世界規模でプラントベースフードの拡充を目指している企業の一つです。チョコレート菓子の「キットカット」なども、植物性の原材料でつくられたビーガン向けの商品が過去に発売されました。

ネスレ傘下の植物性食品メーカー「Garden Gourmet」は、パリ五輪でプラントベースフードを提供するパートナー企業として名を連ねています。

②KAGOME

カゴメではいくつかのプラントベースフード商品が展開されています。原料に人参と白いんげん豆を使用した、まるで卵のような「Ever Egg(エバーエッグ)」、大豆と野菜のシリアル「SOVEシリアル」、パスタソースなどです。また、任意団体『Plant Based Lifestyle Lab』を設立し、プラントベースフードの商品開発や普及に力を入れています。

最後に

パリ五輪では、私たちにとって身近な食事を通して、あらゆる方面から工夫することでCO2排出量の削減目標を達成しようとしています。

世界中の人が注目する大規模なイベントで、プラントベースの食事を取り入れることは、エシカル消費を促進していくことにおいて大きな意味をもちます。

今回のパリ五輪をきっかけに、プラントベースの食事がグローバルスタンダードになっていけば、よりサステナブルな未来の実現に近づくことでしょう。